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SfM技術「空飛ぶ絨毯」|土砂災害現場を自由自在に観察する新しい調査技術 | NETIS


地質技術者にとって、長年の夢だった調査方法

がけ崩れなどの災害現場に急行して、地質技術者の目線で現状を把握したい。

下から眺める。
いろいろなアングルから眺める。
おそるおそる近寄る。
遠くから全容を眺める。

ドローンの登場には、本当に驚かされました。

しかし、まだ何か足りない。

まるで「空飛ぶ絨毯」に乗っているように、自由自在に現場を観察したい。

その思いを実現してくれたのが、SfM技術です。

SfMによって災害現場を3次元化することで、調査専門技術者が画面上で自由に視点を動かし、近づいたり、遠ざかったり、角度を変えたりしながら現場を観察できます。

株式会社きぃすとんでは、このSfMを活用した調査技術を「空飛ぶ絨毯」と呼んでいます。

土砂災害現場で何が起きているのか

がけ崩れや斜面崩壊の現場では、短時間のうちに多くのことを確認し、判断しなければなりません。

何が起きているのか。
どこから崩壊が始まったのか。
主因は何か。
素因は何か。
流れ盤なのか。
トップリングなのか。
岩盤クリープなのか。
断層が関係しているのか。
くさび崩壊なのか。
今後どうなるのか。
次にどこが崩れる可能性があるのか。
通行止めを解除できるのか。
緊急対策工はどうするのか。

こうした判断を行うためには、崩壊現場をできるだけ詳しく観察することが重要です。

SfMによる3次元データがあれば、調査技術者自身が画面上で現場を動かしながら、さまざまな位置・角度から確認できます。

現場上空を「空飛ぶ絨毯」で飛び回るように、必要な場所を自由自在に観察できます。

何がすごいのか

1.自由自在に観察できる

SfMによって3次元化した現場は、任意のアングルから観察できます。

近づく。
遠ざかる。
横から見る。
上から見る。
全体を見渡す。
必要な場所を大きく拡大する。

これらの操作を画面上で瞬時に行うことができます。

思い切り近づいて確認でき、撮影した画像の精度が高ければ、細部まで詳細に観察できます。

ドローンで撮影した写真や動画だけでは、撮影した位置からの映像を見ることになります。

SfMでは、多方向から撮影した画像を組み合わせて3次元化するため、撮影後に観察する位置や角度を自由に変えることができます。

樹木や植生などの障害物にも対応

災害現場には、樹木や植生など観察の邪魔になるものがあります。

いろいろな方向から撮影した画像を組み合わせることで、特定方向から見えなかった場所についても、別の方向から取得した画像を利用できます。

また、3次元データ上で植生や樹木などの不要な部分を除外することで、観察したい地形や構造物を見やすくすることもできます。

これが「空飛ぶ絨毯マジック」です。

植生や障害物によってドローンだけでは十分に撮影できない場合には、手持ちのスマートフォンで撮影したデータを組み合わせることもできます。

樹林帯などでは、ロープアクセスによって対象へ近づき、近接位置から撮影することも可能です。

2.速い

土砂災害の緊急調査では、調査の速さも重要です。

現場では、ドローンで静止画を連続撮影します。

取得した画像をホストPCへ送信します。

山間部などでは、Starlinkを利用して通信環境を確保することもできます。

ホストPCを遠隔操作し、SfM解析を行います。

解析にはMetashapeを使用します。

条件が整えば、数分程度で解析を行い、3次元データを手元へ送り返す運用を想定しています。

10分もあれば、コーヒータイムをしている間に解析が完了する。

それほどのスピード感で現場情報を3次元化することを目指しています。

送り返された3次元データは、手元のモニター上でグルグル回したり、近づいたり、遠ざかったりしながら観察できます。

まるでUFO、あるいは空飛ぶ絨毯に乗って、現場を自由に飛び回っているような感覚です。

3.手ごろな値段で構成できる

大がかりな専用システムを必要としないことも特徴です。

ドローンは普及型で対応できます。

ドローンから十分に撮影できない場所については、手持ちのスマートフォンで撮影した画像を組み合わせることもできます。

樹林帯などでは、ロープアクセスによる近接撮影データも利用できます。

SfMデータの解析にはMetashapeを使用します。

ソフトウェアは50万円程度。

必要に応じて複数の解析環境を組み合わせ、処理をブーストすることもできます。

普及型ドローン、スマートフォン、PC、SfM解析ソフトを組み合わせることで、大がかりな専用設備を使わずに3次元解析環境を構成できます。

4.リモートで専門家と一緒に確認できる

3次元データは、ネットワークを通じて共有できます。

イメージは、まるでライブビューイングです。

遠隔地にいる専門家にも同じ3次元データを見てもらい、同じ現場を一緒に確認できます。

現場から離れた場所にいる地質技術者や専門家から、リアルタイムに近い形で意見やアドバイスを受けることもできます。

災害現場へすべての専門家が集まらなくても、3次元データを共有しながら検討できます。

ロープアクセスで実際に確認する

株式会社きぃすとんの強みは、SfMだけではありません。

「空飛ぶ絨毯」で得られた情報について、必要な場所にはロープアクセスで実際に接近して確認できます。

専門調査技術者自身が、安全を確保したうえで対象箇所へ接近します。

実際に近寄る。
触れる。
叩く。
覗き込む。
必要な場所へ入り込んで確認する。

画像だけでは分からないことを、現地で直接観察します。

SfMによって得られた情報を、ロープアクセスによって確認できることが、きぃすとんの強みです。

ベテランの土木地質技術者が判断する

きぃすとんには、がけ崩れなどの調査・施工経験を持つベテランの土木地質技術者がいます。

3次元データを作成するだけで調査が終わるわけではありません。

そのデータから、

どこが崩壊したのか。
どこから崩壊が始まったのか。
何が原因なのか。
今後どこが危ないのか。
どのような対策が必要なのか。

こうしたことを判断するには、土木地質に関する専門知識と現場経験が必要です。

きぃすとんでは、ベテランの土木地質技術者が3次元データを確認し、必要に応じて現場へ接近して直接観察します。

迅速で精確な判断を、できるだけ早く行うことを目指します。

ドローンパイロットにも現場を見る力が必要

土砂災害現場では、ただドローンを飛ばせばよいわけではありません。

どの位置を撮影するのか。
どの方向から見るのか。
どこへ近づくのか。
何を確認したいのか。

これを理解して撮影する必要があります。

そのため、ドローンパイロットは専門調査技術者自身、または専門調査技術者の指示どおりに飛行・撮影できる人が担当します。

調査に必要な画像を取得することが重要です。

この技術は何について、何をする技術なのか

土砂災害現場での緊急調査にSfM技術を応用し、調査専門技術者が、まるで「空飛ぶ絨毯」に乗っているように現場を自由自在に飛び回り、さまざまなアングルから観察する技術です。

接近して詳細を見る。

遠ざかって全体を見る。

方向を変えて地質や崩壊状況を見る。

こうした観察によって現場の状況を把握し、必要な判断を迅速・精確に行うために活用します。

従来はどのような技術で対応していたのか

従来は、地上からの遠望、ドローン撮影、ロープアクセスによる近接目視などによって現場を確認してきました。

こうした調査方法にSfMによる3次元観察を組み合わせることで、現場をさまざまな位置・角度から確認できるようになります。

従来技術と比較した特徴

従来の遠望等による調査と比べ、SfMで3次元化した現場を任意のアングル・距離・精度で観察できることが特徴です。

現場全体を見る。

崩壊箇所へ近づく。

横方向から確認する。

別の角度へ回り込む。

このような観察を画面上で繰り返すことができます。

これにより、土砂災害現場における迅速・精確な状況把握と判断につなげます。

どのような現場に適用できるのか

土砂災害の状況把握

がけ崩れや斜面崩壊について、現場の状況を把握します。

土砂災害の発生要因、発生機構、周辺部への今後の波及などを検討します。

土砂災害の緊急対策

緊急対策工の検討に活用します。

道路等の通行規制や解除を判断するための現場情報を取得します。

土砂災害現場の早期復旧・対策にも活用します。

土砂災害の予防

道路防災点検や特定道路土工構造物点検など、災害を予防するための調査にも活用できます。

40年以上夢見てきた技術が、今、実現

筆者は、土木地質技術者として40年以上、現場で仕事をしてきました。

崩壊現場を見ながら、

ここから見たい。
もっと近づきたい。
反対側から見たい。
上から全体を見たい。

そう思うことが何度もありました。

昔は、UFOに乗っている宇宙人にお願いして、崩壊現場の上空へ連れて行ってもらえたら、と考えたこともあります。

ドローンが登場しました。

そしてSfMによって、撮影した現場を3次元化し、その中を自由に動きながら観察できるようになりました。

必要な場所にはロープアクセスで実際に近づくこともできます。

まるで「空飛ぶ絨毯」に乗っているように、現場を自由自在に観察する。

土木地質技術者として長年夢見てきた技術が、今、実現しています。