
砂防堰堤詳細点検で展開写真を活用
「SABO-TEN」は、砂防堰堤詳細点検にSfM技術を応用し、精確な展開写真を取得することで、迅速かつ位置精度の高い点検を行う技術です。
ドローン等で撮影した多数の静止画をSfM解析し、砂防堰堤の3次元データを作成します。
その3次元データから展開写真を作成し、現場での詳細点検に活用します。
大がかりなシステムは不要です。
速い。
安い。
精確。
現場で導入しやすい砂防堰堤詳細点検を目指します。

手順1 現場で写真撮影
最初に、現場で砂防堰堤を撮影します。
ドローンを使用し、静止画を連続撮影します。
砂防堰堤をさまざまな位置・角度から撮影し、SfM解析に必要な画像を取得します。
ドローンは、汎用の普及機で対応できます。
周辺植生の伐採は不要、または最小限
砂防堰堤の周辺には、樹木や植生があります。
SABO-TENでは、さまざまな方向から取得した画像を組み合わせるとともに、画像処理によって観察に不要な植生等を除外します。
そのため、撮影のために周辺の植生を大きく伐採する必要がなく、伐採するとしても最小限に抑えることができます。
ドローンで見えない場所はスマートフォンも活用
植生の状況などによって、ドローンだけでは十分な写真が撮れない場所もあります。
その場合には、手持ちのスマートフォンで撮影した画像を組み合わせます。
必要に応じてロープアクセスで対象へ接近し、近距離からスマートフォンやカメラで撮影します。
ドローンによる上空からの撮影と、地上・近接位置からの撮影を組み合わせることで、SfM解析に必要な画像を取得します。
手順2 室内でMetashapeを使い、展開写真を作成
現場で取得した写真をSfM解析ソフトウェア「Metashape」で処理します。
多数の画像から砂防堰堤を3次元化します。
そこから、点検に必要な展開写真を作成します。
主に、
- 下流側堤体面
- 上流側堤体面
- 天端面
- 副ダム
などについて写真展開図を作成します。
必要に応じて、実測データや設計図面等も併せて確認します。
3次元立体画像として自由自在に確認
SfMによって作成したデータは、展開写真だけに利用するものではありません。
砂防堰堤そのものを3次元立体画像として確認できます。
画面上でグルグルと回す。
近づく。
遠ざかる。
確認したい場所を拡大する。
さまざまな位置・角度から砂防堰堤を観察できます。
画質が十分に確保できれば、亀裂等の細かな変状も画像上で確認できます。
現場に戻らなくても、3次元データ上でさまざまな場所を再確認できます。
手順3 現場で詳細点検
作成した展開写真を持って現場へ入り、詳細点検を行います。
展開写真は、タブレットで表示する方法と、紙ベースの野帳として使用する方法の両方を想定しています。
実際の砂防堰堤を確認しながら、点検結果を展開写真上へ記入します。
ひび割れ。
欠損。
摩耗。
漏水。
変形。
その他の変状。
実際の堤体写真をベースにした展開図へ直接記録することで、変状がどの位置にあるのかを分かりやすく残すことができます。
3次元データを取得し、閲覧・ダウンロード
SABO-TENでは、展開写真だけでなく3次元データも取得します。
取得した点群データは、閲覧・ダウンロードして利用できます。
点検後も3次元データを確認し、気になる場所へ近づいたり、角度を変えたりしながら再確認できます。
点検時点の砂防堰堤を3次元データとして記録できるため、維持管理にも活用できます。
継続的に3次元データを取得することで、過去のデータとの比較や、変状の進行状況の確認にも活用できます。
迅速かつ位置精度の高い点検を行う技術
砂防堰堤詳細点検にSfM技術を応用し、精確な展開写真を取得すること等によって、迅速かつ位置精度の高い点検を行う技術です。
現場でドローン等による写真撮影を行います。
取得した画像をMetashapeでSfM解析し、砂防堰堤を3次元化します。
その3次元データから展開写真を作成します。
作成した展開写真を現場へ持ち込み、詳細点検に使用します。
従来は、巻尺等を使用
従来は、巻尺等を使用した簡易測量によって対応していました。
現場で巻尺等を使用し、変状の位置や寸法を確認して記録します。
従来技術と比較した特徴
巻尺等による簡易測量を用いた従来技術に対して、SABO-TENではSfMによって作成した精確な展開写真を使用します。
実際の砂防堰堤の画像を基に、変状の位置を確認できます。
これにより、迅速かつ位置精度の高い点検を行うことができます。
さらに、展開写真だけでなく、砂防堰堤全体を3次元データとして保存できます。
大がかりなシステムは不要
SABO-TENでは、大がかりな専用システムを必要としません。
ドローンは汎用の普及機で対応できます。
ドローンだけでは撮影できない場所では、手持ちのスマートフォンも利用できます。
植生や地形によって撮影が難しい場所には、ロープアクセスで接近して撮影できます。
SfM解析にはMetashapeを使用します。
ドローン、スマートフォン、PC、SfM解析ソフトウェアを組み合わせることで、砂防堰堤の3次元データと展開写真を作成します。
どのような点検に活用できるのか
砂防堰堤詳細点検
SABO-TENの主な活用対象です。
下流側堤体面、上流側堤体面、天端、副ダム等について展開写真を作成し、詳細点検に利用します。
単純な構造のコンクリート構造物等の変状点検
砂防堰堤以外でも、比較的単純な構造を持つコンクリート構造物等の変状点検に活用できます。
SfMによって対象を3次元化し、展開写真を作成することで、変状位置の確認や記録に利用できます。
ロープアクセスも活用
砂防堰堤には、地形や植生の影響によってドローンでは十分に撮影できない場所があります。
そうした場所では、ロープアクセスによって対象へ接近します。
スマートフォンやカメラによって近距離から撮影し、SfM解析用の画像を補完します。
詳細点検の際には、専門技術者自身がロープアクセスで接近し、実際の構造物を近接目視・直接観察することもできます。
ドローンで静止画を連続撮影する。
Metashapeで3次元化する。
展開写真を作る。
現場で詳細点検を行う。
必要な場所にはロープアクセスで接近する。
株式会社きぃすとんでは、この流れによって、砂防堰堤詳細点検の迅速化と位置精度の向上を進めています。