橋梁点検

橋梁点検とは?その重要性

What is Bridge Inspection

橋梁とは、道路や鉄道、河川や谷などを越えるために架けられた重要な構造物です。社会インフラの中でも特に利用頻度が高く、人や物流を支える基盤として不可欠な存在です。橋梁点検とは、この橋梁の安全性や健全性を確認するために行われる調査・診断業務のことを指します。

橋梁は長期間にわたって風雨や温度変化、さらには交通荷重や地震など様々な外的要因にさらされており、劣化や損傷が少しずつ進行します。そのまま放置すれば、ひび割れや鋼材の腐食、支承部の不具合などが原因で重大な事故につながる可能性があります。人命や社会機能を守るため、橋梁点検は極めて重要な役割を果たしています。

橋梁点検によって得られる主な効果は以下のとおりです。
• 損傷・劣化・変状の早期発見
• 事故や通行障害の未然防止
• 補修や補強の要否判断、工事計画立案の基礎資料
• 安全で効率的なインフラ維持管理

橋梁点検は、橋の「健康診断」ともいえる存在です。定期的な点検を実施し、適切な維持管理を行うことで、社会インフラの安全性と信頼性を長期にわたって確保することができます。

業界随一 きぃすとんの技術力

ロープアクセス技術を用いた橋梁点検。作業員が高所から橋の構造をチェックし、安全確認を実施。

橋梁点検に精通した技術者が
ロープアクセスを駆使し点検します

橋梁点検には足場を必要とせず、上下左右前後方向へ自在に移動が可能なロープアクセス技術SORATによる方法が最適解です。

このロープアクセスによる調査は、道路橋点検士の有資格者など、橋梁に精通した専門家自身が、ロープアクセス技術を 駆使して、橋梁を安全・迅速・ 自在に移動することにより、発生している変状や崩壊兆候などの異状を的確に調査するものです。打音調査や近接目視・接触観察により、かすかな変状・亀裂も見逃しません。長大橋やハイピア橋など特殊な橋梁にも多数の実績があります。

調査にあたる当社のすべての作業員は、(一社)ロープアクセス技術協会※」が定める厳しい基準をクリアしたロープアクセス技術「SORAT」の有資格者です。安全を確実に確保しつつ高精細・高効率な調査を行います。

ロープアクセス技術協会…ロープアクセス技術の正しい技術普及と、業界随一のロープアクセス技術「SORAT」の指導・資格認定を担う一般社団法人。高い可動性と安全性を兼ね備えた唯一無二の技術、国内のみならず海外からの技術習得志望者も多い。

橋梁点検に最適な
ロープアクセス技術

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ロープアクセスが選ばれるケース

• 縦断勾配が急で点検車が据えられない
• 歩道橋や車重制限がある橋梁
• 離島など、車両搬入が困難な現場

• 幅員が広く桁下中央部に点検車が届かない場合
• 高所作業車がアクセスできない主塔・ケーブル・アーチ部材

足場や重機が不要なため、交通規制が不要なケースが多く、コスト削減や工期短縮に貢献しています。時間制約が厳しい現場や通行量の多いエリアでも対応可能です。

高い機動性

ロープアクセス技術「SORAT」による橋梁点検では、現場条件に即した「トラバース」「Vリグ」等を行うことで、上下左右への自由自在な移動、調査が可能となります。

登り返しの手間が省けるため、他のロープアクセス技術と比べ圧倒的に作業効率が高く、広範囲の調査を短時間で行うことができます。

 

橋梁点検業務の流れ

橋梁の種類

桁橋

一番多く実績のある橋梁形式です。 主桁形状や本数、横桁状況などにより様々な場面があり、状況に応じた最適な手法で近接、点検します。

斜張橋

主塔高が高く高所作業車では近接できない・・・。 ロープアクセス技術の出番です。 主塔頂部へのアクセスが肝です。 主塔頂部にアンカーが取れさえすれば高さ、形状に関係なく近接可能できるので、いかに頂部に到達するか。 知恵を絞ります。

吊橋

斜張橋と同様、主塔頂部へのアプローチが肝心です。 山中にひっそり佇む歩道吊橋から海上吊橋まで、耐風索も含め近接目視点検が可能です。

トラス橋

橋梁点検車が差し込めない、バケットが下弦材まで届かない・・・ロープアクセス技術の得意とするところです。 トラス構造の橋梁は部材が多く、ロープ支点に事欠きません。  ロープアクセス技術向きの橋梁形式です。

アーチ橋

トラス橋と同様、橋梁点検車や高所作業車が近接できない範囲をカバーします。鋼アーチはトラス橋と同じく比較的やりやすい(アプローチしやすい)です。 それに比べRC・PCアーチは難敵です。 部材にアンカーを打設することなく近接するには・・・腕の見せ所です。

RC橋、PC橋

鋼橋に比べてロープアクセス技術との相性は悪いです。 支点を取る箇所が少なく(橋梁によっては全くない)任意の箇所へ近接するために躯体へのアンカー打設が必要なこともなります。 きぃすとんではアンカーを打設せず損傷位置にアプローチするための様々な手法を編み出し実践しています。

跨線橋

ロープアクセス技術の作業性と安全性は夜間作業においても損なわれることはありません。 通常の橋梁点検に比べて制約の多い跨線橋点検においても【安全・迅速・確実】な現場作業を実施しています。

歩道橋、水管橋、石橋

小さい、細い、古くて不安・・・橋梁に負担をかけないロープアクセス技術による点検、各種橋梁で活躍しています。

点検・調査

定期点検

法定基準に則り、桁下部、支承部、桁中央などを目視・接触点検。劣化や損傷の有無を正確に記録し、対策案を提案します

補修設計に伴う詳細点検

損傷部材の状態を詳細に診断し、補修計画に必要なデータを取得。主にひび割れ幅測定、支承部調査を実施します。

塗膜調査

塗膜の採取範囲、採取量もご希望に合わせた仕事をいたします。タッチアップ塗装も承ります。

磁粉探傷(MT)試験、中性化試験

鋼材に対する磁粉探傷試験、コンクリート構造の中性化試験を実施し、内部の損傷や劣化を特定します。

各種試験試料採取

試料(コンクリートコア、鉄筋、塩化物イオンなど)を採取し、分析を行います。

補修工事

断面修復、ひびわれ補修

損傷箇所の除去と補修材の充填等による補修

鋼橋補修

部材交換、塗装補修、ボルト増し締め、合いマーク施工

テクニック

ロープアクセス技術による橋梁点検で多く用いられる、きぃすとんのオンリーワン技術を中心に紹介します。 
絶対の安全を大前提に日々進化(深化)しています。

トラバース

ロープアクセス橋梁点検の基本的技術です。 吊り金具や主桁ウェブのスカラップ、横構などスリングが掛けられるものに支点を作り、次々に乗り換えて水平方向へ移動しながら点検します。
また、トラバースには1 人で支点の設置、撤去までを行いながら進む「1 人トラバース」と2 人1 組になり先行する点検員が支点を作り後に続く点検員が撤去しながら進む「2 人トラバース」があります。 進む(点検する)スピードは2 人トラバースのほうが速いですが、同範囲を点検する人工数は倍になります。 多くの場合一人トラバースの方が経済的ですが、主桁、横桁の形状によっては1 人では進めない場面もあり、現場毎に最適な方法を採用しています。

ボルトトラバース

進みたい(点検したい)方向に支点となる部材がない場合に、躯体にボルトを 打設し支点を作成しながらトラバースを行う技術です。 通常のトラバースに比べアンカー打設の手間があるため点検スピードは落ちます。

Vリグ

複数の異なる支点を取ったロープと複数の下降器(登高器)を使用して立体 的に移動する技術です。 一度の下降で広範囲をカバーできるので橋脚点検 時には必須です。

チロリアンブリッジ

あらかじめ張力を持たせたロープにぶら下がり水平方向へ移動する技術です。  PC 床版橋など支点が取れない場面での移動、点検に効果を発揮します。 支点間距離で20m程度まで対応可能です。

ビームスライダー

ビームスライダーを使ってのトラバースについて。
ビームスライダーは吊り金具等、支点となる部材がない場合に主桁、横桁、縦桁の下フランジに設置し支点の一つとして使用します。 下フランジ幅が変化する場合や端部がフリーの場合(他の鋼材との間に隙間がある場合)には抜
け落ちる可能性があるので運用には十分な知識と注意が必要です。ビームスライダーがあれば移動(トラバース)のスピードはぐっと上がります。また、前述したような支点が取れない場合には必須の器具になりつつあります。が、下フランジに設置して使用するので点検員の位置は下フランジより下になってしまいます。 桁高が高い場合には床版への近接ができない位置です。移動はできるけど近接はできない・・・では点検には使えません。 使いどころを考えての運用が必要です。

斜張さん

斜張橋ケーブル点検のためにきぃすとんが開発した器材名称です。 メインロープと同じ強度のロープにベアリングを通すことで、ケーブル被膜を傷つけることなく、スムーズにケーブル伝いに移動・点検をすることができます。 下図は『斜張さん』概要図です。 ベアリングを通したロープ、バックアップのスリング、その両方に接続したサブロープ(ものはメインロープと同じ)、これらセットで『斜張さん』です。

成果品の例

(調査報告書)

現地調査で得られた、変状箇所、打音不良箇所などを、簡潔かつ明瞭に表現し『ひと目で理解できる』形に工夫して作成します。
報告書は現場ご担当者様がすぐに活用できる、見栄え・完成度の高いものをご提供いたします。

そのまま使っていただける

品質にこだわった成果品

【報告書内容】
・点検データ(現場野帳と撮影写真)の提出
・損傷図(CAD)の作成
・調書作成

  • 点検は各種点検要領に則ります。
  • 各要領に合わせた損傷評価、対策区分判定。
  • 点検結果整理は、ご要望に応じて幅広く対応いたします。

調査結果の整理・解析・報告書作成

成果品の一例です。

技術・作業手順・計画書

作業手順を詳しく記載した技術資料です。
ダウンロードしてご覧ください。

ハンドブック その1

ハンドブック その2

業務計画書 橋梁点検

安全管理チェックリスト

ロープアクセス技術安全管理指針

橋梁点検イラスト集

試料採取手順書

斜張橋ケーブル点検手順書

広報 DM

作業の様子

よくある質問

Q. 通行規制は必要ですか?
A. 現場状況により変わりますが、原則不要です。

Q. 保険や安全管理はどうなっていますか?
A. 労災保険完備、創業以来35年間無事故の実績があります。

Q. 雨天時の作業は可能ですか?
A. ロープで安全を確保しているため、少々の雨風では作業可能です。

Q. 納期はどの程度ですか?
A. ご要望に合わせて柔軟に対応いたします。

お客様へのお約束

ご予算を中心に最適なプランを提案

当社では、高い技術力とやる気あふれるスタッフによって、コストパフォーマンスの高い橋梁点検サービスを提供しています。

お客様のご予算を第一に考え、限られた予算内でも最善の工夫を施し、常にご満足いただける成果をお届けしています。

「予算が厳しいから」といってお断りすることはありません。むしろ、厳しい条件下こそ工夫と技術の発揮しどころと考えています。

詳細な費用については、お気軽にお問い合わせください。

点検結果整理は、ご要望に応じて幅広く対応いたします