
きぃすとんのInstagramをご覧になって、
「えっ、ロープ1本だけ!?」
と驚かれる方が多いようです。
たしかに、見た目だけならそう感じるのも無理はありません。
一般的なロープアクセスでは、2本のロープを使用する方式が広く採用されています。
では、なぜきぃすとんが開発した3次元ロープアクセス技術【SORAT】では、1本のロープを使うのか。
「1本の方が安全」とは、いったいどういうことなのか。
よくいただく疑問に、Q&A形式でお答えします。
Q.そもそも、ロープアクセスで何をしているのですか?
A.主に、橋梁やダム、のり面などのインフラ点検です。
きぃすとんでは、自社開発した3次元ロープアクセス技術【SORAT】を使い、人が容易に近づけない場所へ技術者自身がアクセスし、近接目視による点検・調査を行っています。
足場や高所作業車では近づくことが難しい場所でも、ロープを使って直接アクセスできる。
それがロープアクセスの大きな特徴です。
Q.どうしてロープが1本なのですか? 危なくないですか?
A.「ロープが1本」ということと、「安全確保が1つ」ということは同じではありません。
SORATでは、1本のロープを使用しますが、そのロープを支える支点は2点で確保することを基本としています。
つまり、
1本のロープを、確実な2点で支える。
見た目の「ロープの本数」だけで安全性を判断するのではなく、どのように支点を構成し、どのように安全を管理しているのかが重要なのです。
Q.でも、見た目はやっぱり危なっかしいですよね?
A.そうなんです。見た目だけなら、そう感じる方もいらっしゃいます。
たとえば、自動車のブレーキペダル。
「1本しかないと心配だから、念のためブレーキペダルをもう1本付けよう」
とは、通常考えません。
重要なのは、数を増やすことそのものではなく、必要な安全性をシステム全体としてどう成立させるかです。
SORATも同じ考え方です。
「ロープが何本あるか」だけを見るのではなく、
支点、ロープ、器具、操作、移動方法、そして技術者の判断までを含めたシステム全体で安全を考える。
これがSORATの基本思想です。
Q.でも、その1本のロープが切れたら墜落するのでは?
A.だからこそ、ロープを「切れるような状態にしない」ことが重要です。
ロープは、適切な選定・使用・点検・管理を行うことを前提として使用します。
もちろん、鋭利なエッジへの接触など、危険な状態で使用すればロープ損傷のリスクは生じます。
だからSORATでは、
「ロープは切れないから大丈夫」と考えるのではなく、ロープの品質を保管時、使用時、常に徹底管理し、ロープを危険な状態に置かないことを徹底する。
そこに重点を置いています。
Q.それでも、ロープ作業では墜落事故が起きていますよね?
A.はい。だからこそ重要なのが、「何が事故につながるのか」を正しく理解することです。
きぃすとんが特に重視している考え方が、
「ゼロ点確保をつくらない」
ということです。
つまり、移動やロープの掛け替えなどの途中で、身体を支える有効な確保がなくなる瞬間をつくらない。
ロープの本数だけを増やせば安全になる、という単純な考え方ではなく、
作業の最初から最後まで、安全確保が途切れない状態をつくる。
これを徹底します。
きぃすとんでは、ロープ技術SORATの開発以来、長年にわたりこの安全思想を積み重ねてきました。
Q.一般的なロープアクセスでは2本なのに、あえて1本にする利点は?
A.最大の理由は、”安全の向上”です。 一本のロープの安全確保に集中します。
管理すべき対象を明確にし、意識と技術を集中させます。
そして、もう一つ大きな理由があります。
それが、
圧倒的な「移動の自由度」です。
上下だけではありません。
上・下・左・右・前・後。
構造物の形状に合わせて、三次元的に移動する。
これこそが、
3次元ロープアクセス技術【SORAT】
と呼ぶ所以です。
Q.その「3次元の移動」が、インフラ点検でどう役立つのですか?
A.たとえば、橋の裏側を想像してみてください。
橋桁、床版、支承部など、橋梁にはさまざまな部材が複雑に配置されています。
点検したい場所が、必ずしも人にとって移動しやすい場所にあるとは限りません。
そこでSORATを使います。
ロープを利用して構造物の形状に沿って移動し、
「見たい場所へ行く」。
そして、技術者自身が対象物へ近づき、近接目視によって損傷を確認する。
必要に応じて位置を変え、角度を変え、さらに次の場所へ移動する。
三次元的な移動能力を活かして、複雑な構造物を迅速かつ詳細に調査できること。
これがSORATの大きな強みです。
「ロープ1本=危険」ではない。
安全性は、単純にロープの本数だけで決まるものではありません。
どこに支点を取り、どのようにロープを配置し、どう移動し、危険をどう排除し、技術者がどう判断するのか。
SORATが追求してきたのは、その一つひとつです。
そして、安全性だけではありません。
安全を確保しながら、より自由に、より迅速に、そして対象物へ確実に近づく。
橋梁など、日本のインフラ点検の現場には、このようなアクセス方法が必要な場所がたくさんあります。
そして、近接点検により、高い調査技術を持った技術者の目と手で、インフラの状況を詳細に点検します。
「インフラの安全を守る」
そのために生まれたのが、
3次元ロープアクセス技術【SORAT】です。
「なぜ、ロープが1本なのか?」
その答えは、
少ない方がいいからでも、簡単だからでもありません。
安全と機動性を突き詰めた結果として、SORATはこの方式を採用しています。