建築現場では未だに「親綱・ロリップ」が主流。業界の現状と今後

ビルの外壁清掃やメンテナンスでは、すでに当たり前となっているロープアクセス技術。ところが、建築現場では、いまだに「親綱・ロリップ」方式が主流で使われているという事実をご存知でしょうか?

思わず驚いてしまいますが、それには明確な理由があります。

なぜ、建築現場では「親綱・ロリップ」なのか?

ビルの建設現場でロープアクセスではなく「親綱・ロリップ」が使われているのか?  理由として、以下の点が挙げられます:

  1. 使い慣れた安全確保手段である
     親綱とロリップは、長年の使用実績があり、建築現場では信頼性の高い技術として根付いています。

  2. ロープアクセス業界の事故イメージ
     ビルメンテナンス業界でのロープアクセス作業では、墜落事故が散見されているため、大手ゼネコンを中心に導入が避けられてきました。

  3. 器材の扱いに差がある
     親綱やロリップは重く、取り扱いが煩雑な一方で、ロープアクセスは軽快かつ迅速な対応が可能ですが、技術者の質にばらつきがあることも懸念点でした。

今、業界が求めているのは「安全性の高いロープアクセス技術」

将来的には、ビル建築現場においてもロープアクセス技術が主流になることは間違いありません。軽量で効率的、かつ迅速な施工が可能だからです。
ただし、その前提となるのが「技術者の質と安全性の確保」です。

ロープアクセスの信頼性を高めるために – 【SORAT】の取り組み

こうした背景を踏まえ、ロープアクセス技術協会(SORAT)では、ビル外壁作業に特化した安全基準・手順を整理し、技術ハンドブックを公開しました。

さらに、ビル外壁業務に必要な専門資格の制度化と、実践的な技術講習の提供も開始しています。これにより、施工者のレベル向上と事故の未然防止を図ります。

安心・安全なロープアクセスの普及へ

建築業界でロープアクセスが本格的に導入される日は遠くありません。
今こそ、安全性と技術の両立を目指す新しい高所作業の形を考える時です。

詳しくは、ロープアクセス技術協会【SORAT】の公式ホームページをご覧ください。

ロープアクセス技術協会
https://rope-access-association.org/


技術講習のお申込みやご質問も、随時受け付けております。