『インフラ高所点検』──ロープアクセス技術の用語解説

インフラ点検の現場では、橋梁・道路・ダムなど、どうしても「人が近づきにくい場所」が存在します。

そこで近年、急速に存在感を高めているのが ロープアクセス技術 を用いた高所点検です。

ここでは、現場でよく使われる関連用語を、分かりやすく整理します。

■ ① 高所作業

高さ 2m以上 の場所で行う作業のこと(安全衛生規則)。

転落の危険があるため、必ず何らかの「安全確保手段」が必要になります。

■ ② ロープ高所作業

ロープを使って行う高所作業のこと。

ロープは“安全確保”だけでなく、移動手段としても優秀で、狭い場所や足場の悪い場所でも自在に移動できます。

■ ③ ロープ高所点検

ロープを活用して、通常では近づけない高所・難所を調査・点検・検査する技術。

はしごや脚立、仮設足場、高所作業車では対応できない場所で特に効果を発揮します。

近年は、三次元的に移動できる 全方向・高速移動のロープアクセス技術(=SORAT技術) が登場し、ロープ点検はさらに高度化・効率化が進んでいます。

■ ④ インフラ高所点検

道路・橋梁・ダムなどの 社会インフラ に対して行うロープ高所点検のこと。

最大の特徴は、点検技術者が 自らロープで対象物に近づき、近接目視や接触観察を行う という点。

これにより、遠望では分からない微細な損傷や異常の発見が可能になります。

■ まとめ

ロープアクセス技術は、

「どんな場所にも安全に・迅速に・確実に近づける」

という大きな強みを持ち、インフラ点検の現場で欠かせない存在になりつつあります。

今後もその技術は、社会インフラの安全を支える重要な役割を担っていきます。