― 国土交通省ガイドラインと、ロープアクセス・ドローン・自社開発ロボットによる実務対応 ―

消波ブロックの点検において、ブロック本体のひび割れ、欠損、摩耗、ズレ、洗掘の兆候などは、実際に近づいて確認することで初めて把握できる情報が多くあります。
しかし一方で、消波ブロックはその構造・設置環境の特性上、
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常時または半水中にある部位
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波浪の影響を強く受ける前面部
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ブロックの隙間や重なり部
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足場や作業船での接近が困難な箇所
といった、従来の方法では物理的に近づくこと自体が難しい部位が数多く存在します。
その結果、
点検の必要性は認識されていながら、
十分な近接目視が行われていない箇所が残ってきたというのが現実です。
ロープアクセス + ドローンが可能にする消波ブロックの近接目視
株式会社きぃすとんは、
ロープアクセスによる近接目視点検を得意としています。
ロープアクセスは、大規模な仮設足場や重機を必要とせず、
点検者がロープを用いて対象構造物へ直接アプローチできる技術です。
この手法により、
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ブロック前面・側面・裏側
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ブロックの重なり部や隙間
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波打ち際や不安定な足場環境
といった箇所においても、
本来行うべき近接目視点検を実施することが可能になります。
また、ドローンを有効に併用することで、全体と詳細、それぞれの手法が得意とする点検方法を組み合わせて、
必要なデータの取得・状況の把握につなげます。
国土交通省ガイドラインが示す消波ブロック点検の考え方
こうした点検の考え方を体系的に示しているのが、
国土交通省 港湾局が策定した「港湾の施設の点検診断ガイドライン」です。(資料1・資料2)
本ガイドラインでは、港湾・海岸施設を供用期間にわたり適切に維持管理するため、
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点検診断の種類
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点検頻度
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劣化度・性能低下度の評価
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点検結果の記録・保存・活用
といった考え方が整理されています。
消波ブロックの点検においても、外観確認に加え、
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ブロックの位置関係
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変位・沈下・傾き
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破損・摩耗の進行状況
などを、定量的に把握し、記録として残すことが重要とされています。
消波ブロック点検における定量データ取得の課題
近接目視により状態を確認できても、もしその結果が記録・数値化されていなければ、
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次回点検との比較
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変状進行の把握
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補修・更新検討への活用
が難しくなります。
しかし実際の現場では、
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波浪・水中環境による制約
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計測機材の設置が困難
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取得後のデータ整理・分析の負担
といった理由から、十分な定量データが取得できていないケースも少なくありません。
きぃすとんの強み:アクセスと記録を同時に実現
きぃすとんの消波ブロック点検は、ロープアクセスによる近接目視に加え、
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目視点検
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映像・写真の取得
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点検仕様に沿った計測
といった 詳細なデータを現場で取得 し、点検結果を記録・整理できる点が大きな特長です。
自社開発ロボット「ANAライザー」の消波ブロック点検への応用
この取り組みの一環として、きぃすとんでは自社開発ロボット 「ANAライザー」 を点検現場に投入し、実運用しています。
ANAライザーは、人が立ち入ることが困難、または安全確保が難しい環境において、
映像や点群データを取得するためのロボットです。
さらに現在、消波ブロック点検を含む海岸・港湾施設点検のほか様々な現場での対応を見据え、
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ドローン型
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吊り下げ型
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船型
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水中型
といった 新たに複数タイプのANAライザーを構想・開発中 です。
データ取得から分析、成果物までを一体で
きぃすとんのもう一つの特長は、
取得したデータを自社で分析し、成果物としてまとめている点です。
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映像・点群データを用いた状況整理
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変状・異常箇所の把握
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点検結果として活用できる資料化
を行い、クライアントに 詳細な分析資料として納品しています。
これにより、
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点検結果を記録として残す
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次回点検との比較を可能にする
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維持管理・補修計画に活用する
といった、
ガイドラインが示す点検の考え方に沿った運用が可能となります。
「確実に見る」、そして「残す」
ロープアクセスによって、これまで十分に確認できなかった場所に近づき、確実に見る。
そして、自社開発ロボットを応用しより詳細な点検を行う。
この二つを一体で行っている点が、きぃすとんの点検における大きな特長です。
きぃすとんは、点検の手法を常に進化させ、私たちの生活になくてはならない沿岸インフラの安全を、これからも支え続けていきます。