橋梁点検やのり面点検(道路土工構造物点検)においては、ドローン技術とロープアクセス技術のどちらを採用するかで、点検の精度やコスト、作業の進め方に大きな違いが生まれます。
それぞれの強みと弱みを比較しながら、当社「きぃすとん」が得意とするロープアクセス技術についてご紹介します。
橋梁点検におけるドローンの強み
橋梁点検においてドローン技術は、ハイテクを駆使している感があり、発注者様から「新技術を導入している」として高評価を得やすい傾向があります。
また、「手っ取り早く」「手軽に」「コスパ良く」点検できるイメージがあるため、採用されやすい場面もあります。
実際、橋梁の外観を短時間で広範囲にわたって撮影できるため、効率的な点検手段として一定の価値があります。
橋梁点検におけるドローンの課題
一方で、ドローンで行えるのは基本的に「撮影のみ」であり、近接目視や打音調査、ボルトの緩み確認といった詳細な情報収集には対応できません。
また、構造物の陰や複雑な形状の箇所、狭い部位では撮影そのものが難しく、肝心な部分の確認が漏れることも少なくありません。
加えて、撮影後の画像解析に時間と手間がかかるため、最終的にコスパが悪くなるケースもあるのが現実です。
法面点検におけるドローンの強み
のり面点検においても、広範囲を一気に空撮できる点や、高所に直接登ることなく概況を把握できる点など、ドローンの強みは活かされます。
特に初動調査や目視確認の補助的手段として、一定の有効性を持っています。
法面点検におけるドローンの課題
しかしながら、のり面点検の現場では、植生(草・木・コケ等)により視界が遮られ、撮影できない箇所が残るケースが非常に多くあります。
また、ドローンでは打音調査やコア抜き調査は不可能なため、背面空洞や地山の状況把握といった精密点検には不向きです。
結果として、橋梁点検と同様に「肝心な変状箇所が確認できなかった」という事態が起こりやすく、点検の信頼性を損ねるリスクがあります。
ロープアクセス技術の強み
当社きぃすとんが得意とするロープアクセスによる点検は、点検技術者が自らロープで現場に接近し、近接目視・接触観察・打音調査・コア抜きまで一貫して行える点において、非常に高精度な手法です。
熟練技術者であれば、橋梁・のり面問わず、素早く移動しながら、損傷箇所をくまなくチェックできます。
ドローンと同等の迅速さでありながら、得られる情報の深さがまるで違う──それがロープアクセス技術の特長です。
弊社でもドローンが適した場所ではドローンを用います。だからこそ、ドローンの強みと弱みを把握しており、点検場所や状況に応じた点検方法の最適解を導き出す事が可能なのです。
ロープアクセスの注意点
ただし業界全体としては、「安かろう悪かろう問題」も抱えており、技術・知識に大きな差があるのも事実です。
また、「新技術ではない」という理由で、制度上の評価が上がりにくい場面もあります。
きぃすとんのロープアクセス技術
私たちきぃすとんは、橋梁点検・のり面点検のいずれにおいても、ロープアクセス技術を多数実施してきました。
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「ドローンでは撮れなかった場所が確認できた」
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「点検調査の精度が高いだけでなく、調書のクオリティが高い」
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「とにかく速くてびっくりした」
など、発注者様からの高いご評価を数多くいただいています。
橋梁点検・のり面点検において重要なのは、現場の状況と目的に応じて適切な技術を選択することです。
そして、「早く・正確に・丁寧に・確実に」を実現できるロープアクセス技術こそが、信頼される点検手法だと私たちは確信しています。
点検の本質とは──インフラの安全を守ること
点検することの意味は、インフラの安全を守ることに他なりません。
ドローンのようなハイテク機械を用いることそのものが目的ではなく、またそれを過信することでもありません。
現場の状況・構造物の特性・点検の目的を的確に見極め、最適な方法を選択すること。
それこそが、インフラ点検において最も大切なことです。
私たちきぃすとんは、必要な知見と技術をもって、「本当に役立つ点検」を積み重ねていきます。
これからも、インフラの安全を支えるプロフェッショナルとして、誠実に現場と向き合ってまいります。