— 笹子トンネル事故をきっかけに変わったインフラ点検のあり方 —
点検強化の契機となった笹子トンネル事故
平成24年(2012年)に発生した笹子トンネル天井板落下事故。
この痛ましい事故をきっかけに、全国でインフラ構造物の点検体制が見直されました。
それまで遠望目視で済ませていた高所・難所の点検も、「近接目視・直接観察」による確認が原則とされ、道路橋点検マニュアルなど各種マニュアルが整備されました。
ロープアクセス技術の登場
しかし、実際にははしごや脚立、高所作業車・橋梁点検車などでは近接できない箇所が数多く存在します。
そのような箇所について、点検マニュアルには「ロープアクセス技術を用いること」が明記されました。
当時はまだロープアクセスという言葉自体が一般的ではなく、㈱きぃすとんにも業者様や発注者様からの問い合わせが殺到。
驚きと同時に、社会が安全性の本質に気づき始めたことに、うれしさを感じた時期でもありました。
「近接目視・接触観察」という表現
近年では、「近接目視・接触観察」という言葉も使われています。
これは「近接目視・直接観察」と同義であり、点検者が構造物に手が届く距離まで近づき、劣化や損傷の状態を自らの目と手で確かめることを意味します。
【SORAT】技術の革新性
このような背景のもと、ロープアクセス技術は高所・難所点検の切り札として注目されるようになりました。
中でも、きぃすとんが誇る【SORAT】技術(そらっと技術)は、インフラ点検を前提に開発された世界初・日本独自のロープアクセス技術です。
上下左右前後、あらゆる方向へ自由自在に、安全・迅速・的確に移動できるため、従来では不可能だった箇所への接近・観察を実現しました。
さらに、【SORAT】技術では専門の点検技術者自身が観察・記録・評価を行うため、その丁寧で正確な仕事ぶりに高い信頼をいただいています。
ドローンとの共存による新たな展開
近年では、ドローンによる点検も普及してきました。
ドローン点検は「近接目視・直接観察」ではありませんが、同等の精度を目指す新たな手法として注目されています。
現場の手間や解析作業の負担は大きいものの、安全性やコスト面での利点もあります。
きぃすとんでは、ドローンと【SORAT】技術の組み合わせにより、より安全で効率的な点検体制を構築しています。
人の技術と機械の力を融合させ、これからもインフラの安全を支える現場に貢献してまいります。