
1.開発の背景
近年、橋梁基礎部・河川構造物・港湾施設等の水中部点検において、
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濁水環境での視認性低下
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水の波紋・反射光による測定誤差
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洗掘や段差の定量把握の難しさ
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高額機材に依存した調査体制
といった課題が顕在化しています。
特に、洗掘状況の把握や水中地形の定量化は、安全性評価や維持管理計画に直結する重要な要素です。
従来は潜水士による目視確認やソナー中心の調査が主流でしたが、データの客観性・再現性・迅速性の観点で改善の余地がありました。
こうした背景から、当社では量産型水中グリーンレーザーLiDARを活用した水中測定ロボットの開発を進めています。
2.技術の特長
■ 水中環境に適したグリーンレーザー方式
グリーンレーザーは水中での透過性に優れ、濁水環境や強い外光下においても安定した測距性能を発揮します。
これにより、
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水深の連続的測定
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洗掘形状の把握
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段差・地形変化の検出
を可能としています。
■ 歪みの少ない360°点群取得
本システムは360°スキャンにより水中地形を点群データとして取得します。
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水底地形
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基礎周辺形状
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洗掘部の空洞化状況
を可視化し、定量的な評価資料として活用可能です。
従来の目視主体の調査と比較し、データの客観性および再解析性が向上します。
■ 低コスト・実務適合型設計
数百万円から数千万円するドローン搭載型などの航空レーザーや大型水中計測機器と比較し、導入・運用コストを大幅に抑制。
必要な精度を確保しつつ、実務に適した構成としています。
過剰スペックではなく、維持管理実務に必要な情報を確実に取得する設計思想を採用しています。
3.きぃすとん独自の技術要素
■ 現場適応型モジュール設計
3Dプリンターによる専用取付部品を自社設計。
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構造物形状に応じた最適配置
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即時改良対応
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現場ごとの柔軟なカスタマイズ
を可能としています。
■ 2D計測を活用した3D化手法
センサー特性を理解したうえで、2D計測を工夫することで3Dデータ化を実現。調査目的に応じて最適なデータ取得方式を選定することで、調査効率の向上を図っています。
■ 調査点検技術・ロープアクセス技術との連携
当社の強みである調査・点検技術、ロープアクセス技術と組み合わせることで、
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高所部と水中部を一体的に調査
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安全確保と効率化の両立
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点検全体のトータル最適化
を図っています。
4.想定活用分野
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橋梁基礎部の洗掘調査
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河川構造物の水中部確認
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港湾施設の基礎周辺点検
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ダム関連施設の水中測定
今後は精度検証および現場適用事例を積み重ね、技術の高度化を進めてまいります。
5.まとめ
本技術は、水中調査における
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安全性
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客観性
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再現性
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コスト合理性
の向上を目指す取り組みです。
きぃすとんは、実務現場で活用可能な技術として、水中調査の高度化と効率化に貢献してまいります。